コラプティオ
単行本

震災、原発事故の後遺症で苦境が続く日本に、有言実行を旨とする宮藤総理が登場したことで、明るい兆しが見え始めた。内閣調査官・白石は、異能の首席秘書官・田坂と共に、宮藤が掲げた“約束”の実現に向けて奔走する。白石の同級生で大手紙の記者・神林は、先輩の名物記者・東條に叱咤されながら、政府・企業を相手のスクープ取材に身を投じていく。物語の舞台が政情不安を抱えるアフリカの小国、ウエステリアに及んだ時、誰も予想しえなかった危機が幕を開ける。
『コラプティオ』は、私が初めて政治の世界に挑んだ作品です。社会に蔓延する不安を見るにつけ、より積極的に政治にコミットメントする時が来たという危機感を抱き、執筆を始めました。そして発生した大震災とその後の大混乱――。
文明社会の危機、政治不信、さらには希望の見えない未来への絶望感が波状攻撃のように日本を襲い、私たちは途方に暮れてしまいました。
しかし、ここで立ち止まってはなりません。
嘆いていても、何も始まらない。
私たち一人一人が目の前の苦難を見据え、立ち向かう勇気を持って行動することが、未来を希望に変える唯一の方法なのです。
誰がやっても政治は変わらない。そんな言葉を二度と口にしないために、私はこの物語を届けます。
〈2011年7月〉