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疑う力
新書
疑う力
[出版社]
文藝春秋
[発売日]
2023年3月19日
[ISBN]
978-4166614479
[価 格]
990円
(本体価格 900円)
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あらすじ
「資本主義が限界を迎えている」「日本は分断されている」「地球温暖化は悪」……世の中で〝常識〟とされていることは、本当にそうなのか。
「“正しい”を疑え!」の著者と考える、現代の幸福論とは。
※本書は、2023年4月〜9月にかけて、慶應MCCのagoraにて「真山仁さんに聞く【“正しいの疑い方】」と題して開催された講座を基に再編成した。
目次
はじめに
第一章 ハゲタカ作家が語る幸せ論
お金は大抵のことを解決するが、幸せを確約するものではない。あればあるほど、さらなる渇望に向かう欲望増幅装置の側面を持つからだ。我々は何をもって、「幸せ」と感じることができるのだろうか。経済の停滞が続く日本における幸せの形について考える。
第二章 分断された民主主義
民主主義とは何か。革命という民衆の共通体験なくして民主主義を手に入れた日本では、その本質的な意味を理解する人は少ない。政治家や官僚などの知識層が、国民の不安と不満を顧みることがなくなり、益々分断が深まっているにもかかわらず、国民の政治への無関心が止まらない。民主主義の功罪を理解しつつ、どうすれば本来あるべき姿に戻れるか思索する。
第三章 「ミステリーの女王」を通して疑う力を養う
情報発信者には発信意図があり、時に私たちを欺こうとする。“正しい”を疑い、正確な情報を得るためには、こうした噓を見抜く力を磨く必要がある。巧みな噓で読み手を翻弄するアガサ・クリスティーの小説を用いて“正しい”を疑う力を養う。
第四章 脱炭素社会におけるエネルギーのベスト・ミックス
カーボンニュートラル実現のため、原子力発電所の再稼働が進んでいる。しかし、原発事故の脅威を学んだ日本だからこそ、地熱発電など、既存の枠組みにとらわれない再生可能エネルギーの開発を進める必要がある。日本におけるエネルギー問題を多面的に検討する。
第五章 正しい戦争とこれからの安全保障
戦争とは“自分が正しい”を争ってはじまるものである。加えて、政治家や軍人だけで始めるのではなく、熱狂的に支持した世論(民意)があってこそ成り立つ。周辺国の軍事活動が活発化する中、日本は軍を持たずして平和を維持し続けられるのか。これからの安全保障の形を問う。
第六章 未来への指針
日本の住みやすさは未来永劫続くわけではない。“正しさ”の押しつけが拡がり、民主主義の責任を果たさぬ国民が集う国に未来はない。では、どうすれば日本の未来が明るいものに変わるのか。想像力を持って、具体策を描く。
おわりに