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“正しい”を疑え!

新書

“正しい”を疑え!

“正しい”を疑え!

[出版社]
岩波書店
[発売日]
2022年9月21日
[ISBN]
978-4-005009572
[価 格]
946円
(本体価格 860円)
amazon/“正しい”を疑え!
あらすじ
「自分の考えが絶対に正しい!」と他人に意見を押しつけSNSを炎上させる人。
その一方で、たやすく人の意見に流されてしまう人々も…。
不安と不信が蔓延する社会において、私達は何を拠り所にすればよいのでしょうか。
自分を信じて自分らしく生きるためのヒントを、真山仁が語ります。特別書下ろし。
目次
    はじめに
  • 1 世の中は、“正しい”に満ちている
  • 空気を読むのは、“正しい”ことか/コロナ禍での自粛/自粛警察に見る“正しい”の面倒さ/日本人気質が根源に/不安定になってきた空気
    1章のキーポイント
  • 2 SNSに影響されすぎてない?
  • SNSって、疲れない?/SNSの関係は、何が前提か/本物の「親友」がいるか/わたしは正しい、よね!?/同じ価値観とつながる/「許せない!」という感情/承認欲求なんて捨ててしまえ/わかり合えないから語り合う
    2章のキーポイント
  • 3 不安は、“正しい”を求める
  • 日本人は不安気質?/情報の氾濫が不安を深刻にする/“正しい”を導いてくれる人を探す/会ったことがなくてもつながれる、は安心か/震災によって壊れた「神話」/「お上」にだまされた!/「お上」不信に拍車をかけたSNS/自分を信じて精一杯生きる
    3章のキーポイント
  • 4 “正しい”の正体を暴く
  • 連綿と“正しい”を主張する歴史書/「新大陸」は、誰にとっての「発見」か/宗教対立での譲れない正当性/あなたの「コミュ障」は、本物?/何事も決めつけは危険
    4章のキーポイント
  • 5 コミュニケーション苦手解消法
  • 「コミュ力」にまつわる誤解/相手が何を考えているのかを探る/相手の話を自分語に翻訳/相手を理解することは、同意ではない/「大筋合意」のワナ/価値観が違う相手は敵か/中国で感じたもどかしさ/価値観が違えば“正しい”も違う/誰かと比べる日本人の悪いクセ/「わかり合えない」とわかれば理解できる/「聞く」ことで、自分の考えも鮮明になる
    5章のキーポイント
  • 6 疑う力という武器を持て
  • 疑うって、ひねくれていることなのか/情報入手には疑う力が必要/違和感とは、「ひっかかり」/「あれ?」と思う一瞬を大切に/平和のために、自衛隊は必要か/疑う力は、情報を否定する力ではない/納得する前に立ち止まって考える
    6章のキーポイント
  • 7 情報には意図がある
  • 情報には発信者の期待がこもる/同じ情報に異なる意図/情報は巧みに発信される/情報には隠された事実がある/SNSには根拠なき思い込みがある/時にウソが真実になる
    7章のキーポイント
  • 8 小説があなたを鍛える
  • 小説を奨める四つの理由/小説は、想像力を豊かにする/想像力は人の数だけある/能動的な行動が本質を見抜く/感情移入して人生経験を積む/立ち止まって考える時間を与えてくれる/価値観の多様性を実感できる/複数の登場人物の内面を覗く/「視点登場人物」が多様性を導く/小説は「人間の真実」を描く
    8章のキーポイント
  • 9 なぜ、クリスティーなのか?
  • ミステリで疑う力を養う/世界中のファンに愛される「ミステリの女王」/読みやすくて傑作ぞろい/いい人も悪い人もウソをつく/だまされたら、もう一度読め!/だまされた箇所のチェックで鍛えられる/正解を求めるとつけ込まれやすい
    9章のキーポイント
  • 10 歪んだ“正しい”にすがるな
  • “正しい”は不動ではない/多様性はモラルと社会性が前提/多様性とはたくさんの“正しい”があること/民主主義を守れ! の危うさ/“正しい”を押しつけない民主主義のあり方/自分を信じる
    10章のキーポイント
    おわりに
作者の思い
今や、私たちの生活に欠かせないメディアとなったSNS。
上手に距離間をおいてつきあうと、とても便利な“ツール”なのですが、一つ間違うと“毒”にもなる。
特に若い世代にとっては、SNSから溢れ出る情報に呑まれてしまい、息苦しさを抱える人もいます。
そんな状況を踏まえて、そもそも“正しい”とは何かを大真面目に考えようと始まった企画です。
中高生向けの新書ですが、本当は“大人”に読んで欲しいと思って書きました。
激変する時代の変化の中で、情報をどう見極めればいいのか。
長年、私自身が試行錯誤して得た経験を踏まえて、真山流「時代の読み方」をお伝えしたいと思います。

〈2022年9月〉