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ここにいるよ

単行本

ここにいるよ

ここにいるよ

[出版社]
祥伝社
[発売日]
2025年12月11日
[ISBN]
978-4396636906
[価 格]
2,090円
(1,900円+税)
amazon/ここにいるよ
あらすじ
2024年1月1日16時10分、巨大地震が能登半島を襲った。その時、元教師・小野寺徹平は、かつての教え子が女将をつとめる旅館に滞在していた。おとそ気分は吹き飛び、恐怖と不安の中で迎えた「最初の夜」、小野寺はこれから始まる被災地の日々を思い、心が沈んだ。阪神・淡路大震災で家族を失い、東日本大震災で応援教師として被災地の子どもたちを励ましてきた小野寺には、能登半島で被災した人々の長い苦悩の道が痛いほど分かったからだ。
つらく苦しい非日常との闘いが始まる一方で、社会からの関心は徐々に希薄になり、過去の震災の被災地と比べられ、「復興が遅い」「無気力」と責める声すら上がる。小野寺は再び被災地で、子どもたちと向き合う決意をする。
作者の思い
2024年1月1日に、発生した能登半島地震――。多くの死傷者に加え、街の様相が一変する大きな被害が生じました。しかも、過去の大震災とは異なる状況や地域的な要因による問題も顕在化。中でも、被災地の状況が、正しく伝わっていなかったり、過去の震災からの思い込みなど「情報格差」や「発信力不足」などの問題も深刻化していきました。
被災地で格闘する友人からの声やメディアの知人からの情報を耳にするにつけ、「このまま、何もせずに放置できない」という思いが募り、私が読売新聞在職時代に一緒に取材活動をした現北陸中日新聞代表に、「小説で、能登半島の現状を伝えたい」と提案したのです。
代表の尽力により、「北陸中日新聞」に加え「中日新聞」「東京新聞」でも連載が可能となり、25年1月から7月まで、連載を続けてきた作品をまとめ、発刊するに至りました。
物語は、かつて東日本大震災をテーマに書いた「震災三部作」の主人公・小野寺徹平を、再登板させて、阪神淡路大震災、東日本大震災の経験も踏まえつつ能登の復興への想いを綴りました。

〈2025年12月〉