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売国

文庫本

売国

売国

[出版社]
文春文庫
[発売日]
2016年9月2日
[ISBN]
978-4167906948
[価 格]
720円(+税)
amazon/売国
あらすじ
宇宙開発に挑む若き女性研究者・八反田遙は、幼い頃から宇宙を夢見、日本の宇宙開発を担う研究者になるべく日々奮闘中。航空宇宙科学研究センター(宇宙セン)の指導教官・寺島に導かれ希望に満ちた日々のなかで、我が国の宇宙開発の現状と問題点を目の当たりにする。それは宇宙開発の世界が生き馬の目を抜く世界であることを知り、同盟国・アメリカとの関係の複雑さに触れることでもあった。
一方、気鋭の検察官・冨永真一は、ある事件をきっかけに功績を認められ、特捜部に配属される。粘り強く次々に成果を出す冨永だったが、大学時代の親友の失踪を機に、奇妙な疑獄事件に巻き込まれてしまう。そしてその陰謀には、戦後の日本復興を支えた大物政治家の影があった。知らずうちに冨永は、宇宙開発を巡る戦後政治の闇に迫ることになる。
単行本
売国

売国

[出版社]
文藝春秋
[発売日]
2014年10月30日
[ISBN]
978-4-16-390142-8
[価 格]
1,750円(+税)
amazon/売国
作者の思い
東京地検特捜部を舞台にした小説を書こうと始まった『売国』は、同時に初めての“謀略小説”でもあります。しかも、敵は日本と最も親密だと思われているかの国……。そんな設定で、私が日本の成長産業として注目している宇宙開発の可能性を描きました。
「はやぶさ」の成功で、一気に世間の注目を浴びた日本の宇宙開発ですが、米国国防総省からも支援を受けているNASAとは規模も資金も、弱小です。しかも、歴史的な背景から、日本国内の宇宙開発自体が一枚岩ではない。
しかし、日本の宇宙開発は、欧米や中国が真似のできない部分があり、その分野に積極的な国家的支援があれば、宇宙産業のリーダーともなれるものがたくさんあります。
『売国』では、どこまでも証拠第一主義を貫く特捜検事と夢と希望を持って宇宙開発研究に邁進する若き研究者の二人を主人公に据え、物語を展開していきます。
少し仰々しいタイトルですが、エンターテインメントに徹した上で、二人の主人公の行動によって暴かれていく隠された日本の戦後史を読み取って戴ければ幸いです。

〈2014年10月〉

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